これまで、肩甲挙筋について学んできました。
最後はこの筋肉をまとめて見てみましょう。
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肩甲挙筋の起始停止をみてみよう!
肩甲挙筋は首や肩のこりや猫背のような姿勢にも関係するとても大切な筋肉だよ。筋肉を知れば、解剖学で問題の原因を観察したり分析したりしながら、安全で効果的に体のコンディショニングができるようになるよ。
肩こり持ちの私は絶対知りたい筋肉だわ。肩甲挙筋ってどんな筋肉なの?早く教えてよ。
お姉ちゃんの目がこわい…
肩甲挙筋は肩甲骨についている3つのインナーマッスルの1つで、滑り台みたいな形をしているよ。
滑り台。なんか楽しそうだね。
よく知ってる物と関連付けて形を覚えると忘れにくくなるよ。
まずは、肩甲挙筋の起始停止を見てみよう!
起始:頸の骨の側面
停止:肩甲骨の上部
頸の骨の背中側ではなくて、側面についているのがポイントだから覚えておいてね。
イラストを見ながら、肩甲挙筋の形と位置を確認しよう。まずは、しっかり肩甲挙筋を見て知ることで、この筋肉をイメージできるようになりましょう。
しっかり見て、イメージできるようになったら、次は肩甲挙筋の作用を考えてみよう!
えーと、肩甲挙筋は、イラストの緑と青の部分についてるから、この筋肉が働くと….
そうそう、答えを見る前にそんな感じでまずは自分で考えてみることが大事だよ。
この骨とこの骨が近づくから….えーと…
よし、それじゃ、肩甲挙筋の作用を一緒に見てみよう!
肩甲挙筋の作用
それじゃ、肩甲挙筋の作用を2回にわけて見てみよう。
この筋肉は、起始と停止のどちら側の骨が動くかでの作用が全く違ってくるんだ。
まずは、頚椎側が固定されて、肩甲骨側が動く場合の作用をみていくよ。
頚椎側が固定されていて、肩甲骨が引っ張られるとなると…、動く関節は、えーと、どこ??
ちょっと難しいかな。この筋肉が収縮したときに動く関節は、肩甲骨と肋骨の間の肩甲胸郭関節(けんこうきょうかくかんせつ)になるよ。
肩甲挙筋の作用 その1:肩甲骨を上に引き挙げる
肩をすくめる動きといった方が分かりやすいかもね。
この作用は、筋肉の名前の由来にもなってるんだ。
なるほど、肩甲骨を挙げるから、肩甲挙筋って名前なんだ。役割が名前になってるんだ。そう考えると、難しい筋肉名も覚えやすくなるね。
そうだね。筋肉はこの肩甲挙筋のように、筋肉の作用が名前になっていることがけっこうあるんだよ。
他にもあるんだね。記憶するのが苦手な私には朗報だわ。
それじゃ次は、もう1つの肩甲挙筋の作用をみてみよう。今回は、頚椎側が固定された場合の作用をみたけど、次は、肩甲骨側が固定されている場合の作用だ。どんな作用になるか、考えてみよう!
ちっ、朗報とか言った直後にまた難問を投げかけてくるわね。頚椎側が固定された場合の作用は、肩甲骨が上に引き挙げる、だよね。逆に、肩甲骨側に、頸の骨が引っ張られた場合か…
頚椎は、椎骨という小さな骨が積み木のように重なってて、それぞれの骨の間が関節になってるんだ。だから、その関節部分が肩甲挙筋に引っ張られて動くんだよ。
肩甲挙筋の作用 その2:顔を横に向ける
実際は、肩甲挙筋に引っ張られるのは頚椎なので、頚椎が横方向に回る動きが、肩甲挙筋の作用になります。
同じ筋肉なのに、固定される側と動く側が入れ替わると、作用も違ってくるんだね。
そうなんだ。このあたりは、最初はイメージするのが少し難しいかもしれないけど、焦らず少しずつイメージできるようになろう。
次は、肩甲挙筋はどんな動きで使われているかを見てみよう!
肩甲挙筋はどんな動きで使っていますか?
肩甲挙筋の作用は、肩甲骨を上に挙げたり、顔を横に向ける作用だよね。
例えば、ヨガのこんなポーズの時は肩甲挙筋が働いています。
一般的には腕のはじまりは肩だと考えられていますが、骨格的にみると腕のはじまりは肩甲骨と鎖骨です。
なので、肩甲挙筋をしっかり使って肩甲骨を動かせるようになると、腕を肩甲骨からしっかり使うことができるようになります。
生活の中では、高いところに手を伸ばす時や、声をかけられて後ろを振り向く時にも肩甲挙筋は活躍しています。
肩甲挙筋を意識して動いてみよう!
最後は、肩甲挙筋を意識しながら実際に動いてみよう!
筋肉のことを教えてもらって分かったつもりでいても、実際に肩甲挙筋を意識しながら動くのはちょっと難しいな…
そうだね。でも、実際に動かしながら筋肉を学ばないと、生活やスポーツのような動きの中で筋肉を意識して使えるようにはならないんだよ。
万歳の時に意識したらいいんだね。
最初は、なかなか難しいけど、しっかりイメージしながら動かすことで、だんだんと肩甲挙筋を意識して使えるようになるよ。
これまで、肩甲挙筋について学んできました。
この筋肉を意識しながら使えるようになると、ヨガのポーズやスポーツ、生活の中でも腕をコントロールしやすくなります。
最初はなんとなくでもかまいません。
腕を動かす時、この筋肉をイメージしながら肩甲骨を動かしてみましょう。
そして、いつもの感覚や動きがどう変化するかを感じてみましょう。
自分の体で、筋肉を感じながら学ぶことで、リアリティを感じる解剖学ボディイメージができてきます。
1つ1つの筋肉をゆっくり学んで、少しずつ解剖学ボディイメージをつくっていきましょう。
今回は、肩についているインナーマッスルの1つの、肩甲挙筋を学んだぞ!
次回の筋肉は、肩甲骨についているインナーマッスル、前鋸筋(ぜんきょきん)を学んでみよう!